百姓一揆ひゃくしょういっきというものが澎湃ほうはいたる一大勢力となり、牧民者がほとんど手のつけようがなく、しかも表面は相当の刑罰を以て臨むにかかわらず、事実は
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
神尾の祖先のうちの一人が、自分の放蕩濫費の尻を、知行所の百姓にすっかり拭わせようとしたために、百姓一揆ひゃくしょういっきを起されて家を危うくしたことがある。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あれで女豪傑の大将で、たくさんの手下を自由自在に扱い、このほど起りました百姓一揆ひゃくしょういっきの大勢ですらが怖れて近よらなかったと申します、そんな威勢はドコにも見えませんでした。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
どちらを向いても百姓一揆ひゃくしょういっきてんで、たいした騒ぎでござんしたよ、その中をいいかげん胡麻ごまをすってトッパヒヤロをきめやして、首尾よく仰せつけ通りの胆吹の山寨さんさいへかけつけやして
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
百姓一揆ひゃくしょういっきとか、検地騒動とかで、えらく騒いでいるようすじゃございませんか」
近江の国へ来て見れば百姓一揆ひゃくしょういっきがある、京都へ行けば行くで、また血の雨が降ってるというじゃあねえか、どっちへ廻っても世界は騒々しいのが本当で、今晩ここんところだけが静かだと言って
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)