“白髪染（しらがぞめ）” の例文
彼が得意の「有職鎌倉山（ゆうそくかまくらやま）」を出し、中幕は団十郎の「白髪染（しらがぞめ）の実盛（さねもり）」と「船弁慶（ふなべんけい）」であったが、一番目ではやはり左団次の三浦荒次郎（みうらあらじろう）がわたしの眼についた。
明治劇談　ランプの下にて (新字新仮名) ／ 岡本綺堂(著)
解剖着の下にまん丸く膨れております洋袴（ズボン）のポケットにその手を突込んで、色々な品物を取出しながら、一つ一つ傍（かたわら）の木机の上に並べました。白髪染（しらがぞめ）の薬瓶と竹の歯ブラシ。三四本の新しい筆。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) ／ 夢野久作(著)
慾（よく）ばれ、気ばれ、白髪染（しらがぞめ）塗（ぬ）れ、お熊婆（くまばば）。
畑の祭 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)