白河楽翁しらかわらくおう)” の例文
それを近頃になって白河楽翁しらかわらくおうさんというお大名が、それではあんまりひどい、というので、案内人無くして入ることを許さず、と改めさせたのだそうでございます。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
白河楽翁しらかわらくおうの『女教訓書おんなきょうくんしょ』を見ると、まだあの頃までは小鍋好みは悪徳であった。留守ごとと称して主人の不在中に、珍しい食物をこしらえることは不貞であった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その時代は、この祖父の室リキ子が白河楽翁しらかわらくおう侯の養母清照院せいしょういんの侍女であったことを挙げればわかる。
加波山 (新字新仮名) / 服部之総(著)
寛斎は久しく昌平黌しょうへいこうの教官と林家の塾頭を兼ねていたが、天明の末白河楽翁しらかわらくおう公の学制を改革するに際して、職を辞し浅草あさくさの某処に移った後、やがて神田かんだ玉ヶ池たまがいけ江湖こうこ詩社を開いた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)