白桔梗しろききょう)” の例文
白桔梗しろききょう、桔梗の花が五つ六つ。白っぽけた撫子なでしこの花が二つ三つ。芝生しばふの何処かで、䗹〻〻じじじと虫が鳴いて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
山県殿やまがたどのの御手は、先陣のまっただ中に押進み、白桔梗しろききょうのお旗を目じるしに立てよとの軍令です」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし彼女は「……いいえ、なんで私だけが、子に会えるのを、よろこんでいられましょうぞ」と、叫びたげに、顔を振った、その頬にこぼれる露を、義貞は、白桔梗しろききょうのようなと思った。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白桔梗しろききょうの旗の下で、三郎兵衛昌景は、おどり上がっていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)