疎陣そじん)” の例文
打っても響きのない士気をながめて、今はいかぬと、彼もさとった。しかし、彼自身の猛気は反対に彼に最後の死にもの狂いをちかわせた。夜は白々と明け、疎陣そじん、人馬の影もまばらだったが——。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)