“疎藪”の読み方と例文
読み方割合
ぼさ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
叫びと共に彼れは疎藪ぼさの中に飛びこんだ。とげとげする触感が、寝る時のほか脱いだ事のない草鞋わらじの底に二足三足感じられたと思うと、四足目は軟いむっちりした肉体を踏みつけた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ふとある疎藪ぼさの所で彼れは野獣の敏感さを以て物のけはいをぎ知った。彼れははたと立停ってその奥をすかして見た。しんとした夜の静かさの中で悪謔からかうようなみだらな女の潜み笑いが聞こえた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)