畷道あぜみち)” の例文
畷道あぜみちを桂川の上流に辿ると、迫る処怪石かいせき巨巌きょがん磊々らいらいたるはもとより古木大樹千年古き、楠槐なんかいの幹も根もそのまま大巌に化したようなのが纍々と立聳たちそびえて、たちまち石門砦高く、無斎式、不精進の
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朝から熱心に心理を読んでいた私は、たまらなくんびりした心地になって、羽織を脱ぎ捨てて飛び出した。O市西郊の畷道あぜみち、測量師の一隊が赤、白の旗を立てて距離を測ってるのが妙に長閑のどかである。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)