畢寛ひっきょう)” の例文
リストは寛大で世話好きで、立派な人物であったに違いないが、野人ブラームスとは別の世界に住む人で、二人は畢寛ひっきょう水と油であったにすぎないのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
それも主客円融ということは渾然として境涯的のものであって、写生は畢寛ひっきょう写生に過ぎないからね。実感に即する抒情までも写生とするのは、少々牽強附会けんきょうふかいじゃないかな。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
何事もそこから出発して行かなければこの話は畢寛ひっきょうまわりばかり回る事になりますから。僕はあなたが木村と結婚する気はないといわれても決してそれをどうというんじゃありません。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)