甘酒うまざけ)” の例文
そうして、真実、私と彼女は、其日初めて温室の中で諸々の花に囲繞されながら恋の甘酒うまざけの最後の澱まで飲み干して了ったのでございます……。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一方大寺の方は、かねて道子の淋しい家庭生活をきき之に同情して居た際とて道子からの甘い言葉をきくと、学生たる本分も忘れ果て、たちまち不義の甘酒うまざけに酔うようになったのである。
彼が殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
露のごと湧くや甘酒うまざけ
玉盃の曲 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
さあ柵を連れて来い! 島太夫、柵にこう云ってくれ。……戦いにきた宗介むねすけ生血なまちに倦きたこの俺が美しい許婚に邂逅ゆきあって恋の甘酒うまざけに酔いしれたくそれで帰って来たのだとな。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)