甘木あまき)” の例文
茨を木ということは似つかわしくないから、この説のごとく最初は甘木あまき・味木・天城などと、同じ意味の命名であったろう。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
入れ代ってやって来たのが甘木あまき先生である。逆上家が自分で逆上家だと名乗る者はむかしから例が少ない、これは少々変だなとさとった時は逆上のとうげはもう越している。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
世間からは娘と同様に見られとるからそのつもりで話するが……その娘の甘木あまき三枝こと天川呉羽嬢を呼出して、その脅迫状を見せるとコンナ字体についてはチットモ記憶がない。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
早く医者に見てもらって服薬でもしたら四時前には全快するだろうと、それから細君と相談をして甘木あまき医学士を迎いにやると生憎あいにく昨夜ゆうべが当番でまだ大学から帰らない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大正十年頃より三四歳の娘(今の天川呉羽嬢、本名甘木あまき三枝(一九)本籍地静岡県磐田いわた見付みつけ町××××番地)を連れて各地を遍歴したるのち上京し、株式に手を出して忽ち巨万の富を作った。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)