瑶珞ようらく)” の例文
旧字:瑤珞
車輪の廻転するまゝに揺られ揺られる瑶珞ようらくのような花束を慕って二人の周囲には間断なく蝶々の群が舞い集い、藪鶯のけたゝましい声が折々私の耳朶を破ります。
金色の死 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その足もとを、火のチリを交ぜた熱風が、いくたびとなく掃いて行き、やつのふところは、夜のような煙にとじこめられ、一瞬、東勝寺堂塔の瑶珞ようらくが、遠くの炎に、チカと光った。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かまづかとうの落葉喬木が繁茂し、いずれも秋季黄紅葉こうこうようする樹木である上に、つたうるしやつるは随所の樹木岩石をとざし、山つつじ、瑶珞ようらくつつじなどもまじっているので、如何いかに紅葉植物が
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
上の方へのぼるに従い、山つつじ、瑶珞ようらくつつじが、赤松の間に茂っている。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)