猶悲なほかなしみ)” の例文
あるじは在らずして、在るが如くその枕頭まくらもとに坐れる客の、猶悲なほかなしみの残れるおもてに髪をば少し打乱うちみだし、左のわきあけの二寸ばかりも裂けたるままに姿も整はずゐたりしを、にはか引枢ひきつくろひつつ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)