大谷尊由という人、師と称するか、猊下というか、私は全然知らないから、もとより師であるか、僧侶であるかそれさえ知らない。
もっとも、相手が誰だかってことは承知していましたけれど……これは即刻けりをつけなくちゃなりません! 猊下、どうぞ信じてください。
「ここの主教猊下は、馬車を使わずに馬に乗って管区を巡廻なさるんだが」と補祭がペンを置きながら言った
先生方はみんな頭の涼しい方で、なかには管長猊下もあり、衣をつけて教室へでていらっしゃる。
猊下へ通すまでもなく、玄関子がよろしく取計らってしまうことは、わかりきったことで、神尾主膳としても、その辺の常識は無ければならないのですが、いささか覚悟の前であったのでしょう