熊谷直実くまがいなおざね)” の例文
熊谷直実くまがいなおざね蓮生れんしょうをはじめ、甘糟あまかす太郎忠綱、宇都宮うつのみや頼綱、上野こうずけ御家人ごけにん小四郎隆義、武蔵の住人弥太郎親盛やたろうちかもり、園田成家なりいえ、津戸三郎為盛ためもり
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真鍮しんちゅうの燭台で打ちかかるものや飛附いてくるものを、父は黒骨の扇——丁度他家からおくられた、熊谷直実くまがいなおざねの軍扇を摸したのだという
ところが、建久の年、熊谷直実くまがいなおざね久下直光くげなおみつとが、領地ざかいの争いで、対決したさい、裁判の不当に怒ッた直実が吠え猛って、吟味の東ノひさし震駭しんがいさせた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると程なく、熊谷直実くまがいなおざねの子息の小二郎直家が、まるで猿か山男のようなひとりの若者を引っ張って来た。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武名の高い坂東武者の熊谷直実くまがいなおざね、名も、蓮生房れんしょうぼうとあらためて、あの人がと思われるような柔和な相をして、円頂黒衣えんちょうこくえのすがたを、信徒のあいだに見せているのも眼についた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)