無図むず)” の例文
逃げようとしたが及びません、飛付いた男の腕、後から無図むずとお秋の襟髪をつかみます。
十字架観音 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
蒲田がかひなは電光の如くをどりて、猶言はんとせし貫一が胸先を諸掴もろつかみ無図むずりたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
岩太郎は立ち上ると、逃げ腰になったお滝の手首を無図むずと取りました。
銭形平次捕物控:245 春宵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)