火吸器すいふくべ)” の例文
こは高田駄平たかただへいとて、横浜に住める高利貸にて、得三とは同気相集る別懇の間柄なれば、非義非道をもって有名なだかく、人の活血いきち火吸器すいふくべ渾名あだなのある男なり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
誰だと思う、ええ、つがもねえ、浜で火吸器すいふくべという高田駄平だ。そんな拙策あまてを喰う者か。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お藤がなくなったら即金で千円返せ、返さなけりゃ、訴えると言い募って、あの火吸器すいふくべだもの、何というても肯くものか。すんでに駈出そうとしやあがる。ままよ毒喰わば皿迄と、おれが突殺したのだ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)