瀦水たまりみづ)” の例文
かういふ最初の記憶はウオタアヒアシンスの花の仄かに咲いた瀦水たまりみづそばをぶらつきながら、從姉いとことそのせなに負はれてゐた私と
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
瀦水たまりみづは惡臭を放てり。朝夕のほかは、戸外に出づべからず。かゝる苦熱はモンテ、ピンチヨオにありし身の知らざる所なり。かしこの夏をば、我猶おぼえたり。
長い霖雨の間に果実くだものの樹は孕み女のやうに重くしなだれ、ものの卵はねばねばと瀦水たまりみづのむじな藻にからみつき、蛇は木にのぼり、真菰は繁りに繁る。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
長い霖雨の間に果實くだものの樹は孕み女のやうに重くしなだれ、ものゝ卵はねば/″\と瀦水たまりみづのむじなにからみつき、蛇は木にのぼり、眞菰は繁りに繁る。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
かやうにして街に殘されたものは眞菰くさ瀦水たまりみづに釣を好む樂隱居か
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)