濁世だくせい)” の例文
なほ天堂に於ける天女エンゼルにして、もしその面貌醜ならむか、濁世だくせい悪魔サタン花顔雪膚くわがんせつぷに化したるものに、嗜好しかうの及ばざるや、はなはだ遠し。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「この穢土えど濁世だくせいにこんな人達が、こんな人間生活が、そして、こんな地域があつたのか? いや、あり得たのか?」
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「世はまだ滅びません。たのもしき哉、濁世だくせいのうちにも、まだ清隠の下、求めれば、かくの如き忠烈な人々も住む」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくての後は、濁世だくせいの都をさして行くもよし
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
悲みて夢うつらさかりて行くか、濁世だくせい
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
悲みて夢うつらさかりて行くか、濁世だくせい
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)