滞陣たいじん)” の例文
こういう時、参軍の呂凱りょがいは大いに役に立った。かねて孔明の手に献じてある「南方指掌図」に依って、地理を按じ、各部隊のために滞陣たいじんの地を選定した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
教春の一人娘早百合姫さゆりひめは三年前、京都の戦禍がややしずまっていたとき、京都滞陣たいじんの父のやかたに呼び寄せられ、まだ十四さいの少女であったが、以来日々、茶の湯、学問、まい
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
呉服山に、仮城を作らせ、かれは八月中を、そこに滞陣たいじんした。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)