溘然かふぜん)” の例文
かうして、古今にりんを絶した俳諧の大宗匠、芭蕉庵松尾桃青たうせいは、「悲歎かぎりなき」門弟たちに囲まれた儘、溘然かふぜんとして属纊しよくくわうに就いたのである。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
盛なる友誼と盛なる師弟の恩義と盛なる社交の空気との中に溘然かふぜんとしてこの世を去つて行つた。
尾崎紅葉とその作品 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「震災後二年を隔てゝ夏秋の交に及び、先生時邪に犯され、發熱劇甚げきじんにして、良醫交〻こも/″\きたしんし苦心治療を加ふれど効驗なく、年八十にして七月十八日溘然かふぜん屬纊ぞくくわう哀悼あいたうを至す」
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)