渓澗けいかん)” の例文
こゝは網代の村端むらはづれにて、これより渓澗けいかんに沿ひ山一つ登れば、昔し遊びし浴亭、森粛しんしゆくたる叢竹の間にあらはれぬ。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
山沢を漫渉まんせふして、渓澗けいかんの炎暑の候にもれざるを見る時に、我は地底の水脈の苟且ゆるかせにすべからざるを思ふ、社界の外面に顕はれたる思想上の現象に注ぐ眼光は
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)