“渋蛇目傘”の読み方と例文
読み方割合
しぶじゃのめ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと見つけたのは、ただ一本、スッと生えた、侏儒いっすんぼし渋蛇目傘しぶじゃのめを半びらきにしたような、洒落しゃれものの茸であった。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
氷月の雪の枝折戸しおりどを、片手ざしの渋蛇目傘しぶじゃのめで、いて入るようにつまを上げた雨衣あまぐの裾の板じめだか、鹿子絞りだか、あの緋色がよ、またただ美しさじゃない、清さ、と云ったら。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渋蛇目傘しぶじゃのめを開いたままで、袖摺そでずれに引着けた、またその袖にも、霏々ひひと降りかかって、見る見るびんのおくれ毛に、白い羽子はねが、ちらりと来て、とまって消えては、ちらりと来て、消えては、飛ぶ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)