“海鯽（かいず）” の例文
波の花が有るなら石鰈と舌平目は、塩焼にして、海鯽（かいず）と鰕を洗いというところだが、水が悪いからブツブツ切りにして、刺身で行くとして、紫は有るまいねえ
悪因縁の怨 (新字新仮名) ／ 江見水蔭(著)
船頭は時々一里も二里も沖へ漕（こ）いで行って、海鯽（かいず）というものまで捕った。そういう場合には高い波が来て舟を揺り動かすので、彼の頭はすぐ重くなった。そうして舟の中へ寐（ね）てしまう事が多かった。
道草 (新字新仮名) ／ 夏目漱石(著)
海鯽（かいず）ですよ。一枚切りですが、滅法威勢が好いので……それから石鰈（いしがれい）が二枚に、舌平目（したびらめ）の小さなのが一枚。
悪因縁の怨 (新字新仮名) ／ 江見水蔭(著)
「有難い。魚は海鯽（かいず）も結構だッたが、子持の蟹が有ったら二三バイ頼むぜ」
悪因縁の怨 (新字新仮名) ／ 江見水蔭(著)