海蛇かいだ)” の例文
海蛇かいだのごとき一本の捕縄とりなわが、とつ! あるまじき渦潮の中からおどりだして、をつかんでいる周馬の首へピューッ、水を切って巻きついた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たくましき男性筋肉と、なよやかな女性肉塊の、だんだら珠数じゅずつなぎがウネウネと海蛇かいだの様に蠢き漂うのだ。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
身に宝石のうろこ着た、細い海蛇かいだを巻き付けた
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
すぐあとから一本の刀の光が、海蛇かいだのごとく閃めいて見えました。星明りをうけて、それは日本左衛門と知られます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)