浮力ふりょく)” の例文
一たん艇内にたたみこんであった翼を出し、これにも噴射ガスが月の面にあたって、反射してくるのをあて、一種の浮力ふりょくとしてはたらかせる。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すると猫又の浮力ふりょくと、お化け鞄の浮力とによって、鞄は秋草の身体を下にぶら下げたまま宙に浮きあがった。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
またずぶずぶともぐりこんで、そこで手足をだらんとして浮力ふりょくが勝って身体の浮きあがるのを千秋せんしゅうのおもいで待った。ようやく浮き身がついて、身体がすううっとよっていった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なぜといって、今空から一人の人間が、浮力ふりょくを失ったゴム風船みたいに、ふわりふわりと下りて来るではないか。しかもそれはポコちゃんがえんこしているすぐ前に下りてきそうなのだ。
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)