浅茅生あさぢう)” の例文
旧字:淺茅生
向うの、離座敷の障子の桟が、ぼんやりと風のない燈火ともしびに描かれる。——そこへく背戸は、浅茅生あさぢうで、はらはらと足の甲へ露が落ちた。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
処へ、母屋から跫音あしおとが響いて来て、浅茅生あさぢう颯々さっさっ沓脚くつぬぎで、カタリとむと、所在紛らし、谷の上のもやながめて縁に立った、私の直ぐ背後うしろで、衣摺きぬずれが、はらりとする。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
崖へ向いた後姿、すぐに浅茅生あさぢうへ帯腰を細く曲げたと思うと、さらさらと水が聞えた。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)