洪濛こうもう)” の例文
洪濛こうもうたる海気三寸の胸に入りて、一心見る/\四劫しごふに溢れ、溢れて無限の戦の海を包まんとすれば、舷に砕くるの巨濤ほとばしつて急霰きふさんの如く我と古帽とに凛烈りんれつの気を浴びせかけたる事もありき。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)