波瀾万丈はらんばんじょう)” の例文
波瀾万丈はらんばんじょう——と自分で言っちゃおかしいが、そうした俺の過去が俺に残して行ったものはただこの隠語だけだったのだ。——
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
きょうの札をめくったも同然で、たちまちそこに何人かの血を見、波瀾万丈はらんばんじょう、恐しい渦を巻きおこさずにはおかない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ましてその閲歴は波瀾万丈はらんばんじょう、我国新女優の先駆者であり、泰西たいせいの劇団にもその名を輝かして来た、マダム貞奴さだやっこを、細かに書いたらばどれほど大部たいぶの人間生活の縮図が見られるであろう。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
しかも、その一気呵成いっきかせいの大業もまた波瀾万丈はらんばんじょうな毎日毎日であった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)