法師ぼうず)” の例文
赤門ではその日がちょうど休日やすみであった。お庄はさらに伝通院横にある、大黒の小さいお寺へ行って、そこに出張っている法師ぼうずに見てもらうことにした。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この晩、お庄は経を読んでいる法師ぼうずの傍へ来て坐るひまもなかった。座敷の方が散らかって来ると、丸山の内儀かみさんと一緒に、時々そこらを取り片着けて歩いた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
派手な衣を着けて、顔のてらてらしたその法師ぼうずは、じろじろお庄の顔を見い見い水晶すいしょう数珠玉じゅずだまなどを数えていたが、示されたことはあまり望ましいことでもなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
帰りに伝通院の横手にある大黒の小さいほこらへ入って、そこへ出ているある法師ぼうずについててもらうことにした。法師は綺羅美きらびやかに着飾った四十近くの立派な男であった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)