河添かわぞい)” の例文
夏の炎天神田かんだ鎌倉河岸かまくらがし牛込揚場うしごめあげばの河岸などを通れば、荷車の馬は馬方うまかたと共につかれて、河添かわぞいの大きな柳の木のしたに居眠りをしている。
笠井は驚いて飛んで来た。しかし広い山野をどう探しようもなかった。夜のあけあけに大捜索が行われた。娘は河添かわぞい窪地くぼちの林の中に失神して倒れていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
山の手は庭に垣根に到る処新樹しんじゅの緑したたらんとするその木立こだちの間より夕陽の空くれない染出そめいだされたる美しさは、下町の河添かわぞいには見られぬ景色である。