没分暁ぼつぶんぎょう)” の例文
旧字:沒分曉
細工に落ちるというが、ぼくのやる事は自然の手順が狂わないようにあらかじめ人力じんりょくで装置するだけだ。自然にそむいた没分暁ぼつぶんぎょうの事を
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それを知らなければ畢竟ひっきょう無理解没分暁ぼつぶんぎょう親爺おやじたる事を免れ難いかもしれない。ましてや内部生活の疎隔した他人はなおさらの事である。
相対性原理側面観 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
弁者は渠の没分暁ぼつぶんぎょうを笑いて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いたずらに自尊の念と固陋ころうけんり合せたるごとき没分暁ぼつぶんぎょうむちを振って学生を精根のつづく限りたたいたなら、見じめなのは学生である。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
細工に落ちると云ふが、僕のやる事は、自然の手順が狂はない様にあらかじめ人力じんりよくで装置をする丈だ。自然に背いた没分暁ぼつぶんぎょうの事を企てるのとはたちが違ふ。細工だつて構はん。細工がわるいのではない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)