江見水蔭えみすいいん)” の例文
わけても最近の『文芸倶楽部ぶんげいクラブ』(大正四年十一月号)に出でし江見水蔭えみすいいんが『水さび』と題せし一篇の如き我身には取分けてきょう深し。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「十一階が二葉亭だわ。それと、漣山人さざなみさんじん。十階に広津柳浪ひろつりゅうろう江見水蔭えみすいいんよ。五階目通過中に川上眉山人びざんじんがいる。いい気味だわ。」
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
『少年世界』の愛読者であった私は、小波山人と共に江見水蔭えみすいいんが好きであったが、この人には遂に会う機会を逸した。
文壇昔ばなし (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
磯萍水いそひょうすい江見水蔭えみすいいんの冒険もの、単行本の十五少年漂流記なぞも無論その頃の愛読書で、どこの発行でしたか、何々少年と標題した飜訳の少年冒険談が、全集式の単行本によって出ていたようですが
涙香・ポー・それから (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『国民の友』の春季附録には、江見水蔭えみすいいん星野天知ほしのてんち後藤宙外ごとうちゅうがい、泉鏡花に加えて彼女の「別れみち」が出た。評家は口をそろえて彼女をたたえた。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)