汚濁おじょく)” の例文
はじめて久我と逢ってからまだ四月にも足らないのに、ひとりはもう空へかえり、ひとりは汚濁おじょく雑爼ざっそのなかへのこされた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
三十一歳までの清浄身しょうじょうしんを、なげうって、現在の僧侶にいわせれば、汚濁おじょくの海、罪業の谷ともいうであろう、蓄妻ちくさい噉肉たんにくやからになろうという意志を固めているのだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
または柔かい人情が、平和の固い守護者である事をも信じている。よし様々な汚濁おじょくの勢いがはびころうとも、私は宗教が真にこの宇宙を支配する力だと信じている。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
珊瑚碧樹の水茎は、すずしく、その汚濁おじょくを洗ったのである。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
または柔かい人情が、平和の固い守護者である事をも信じている。よし様々な汚濁おじょくの勢いがはびころうとも、私は宗教が真にこの宇宙を支配する力だと信じている。
朝鮮の友に贈る書 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)