氷包こおりづゝみ)” の例文
掛りの男にこうことわると、例の氷包こおりづゝみを額へあてながら、私は遮二無二しゃにむに人ごみの流れに逆って、周章狼狽しゅうしょうろうばいして、悪魔に追わるゝ如く構外へ逃げ延びた。
恐怖 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)