水道路すいどうみち)” の例文
そして川の両岸を見て歩き、これは大事が起りそうだと悟って、水道路すいどうみちを野寄の方まで引き返して来た時に水に出遭ったのであると云う。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
或る時幸子は、悦子を連れて水道路すいどうみちへ散歩に出て、路端みちばたうじの沸いたねずみ屍骸しがいが転がっているのを見たことがあったが、その傍を通り過ぎておよそ一二丁も行った時分に
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
土地の人が水道路すいどうみちと呼んでいる、阪急の線路に並行した山側の路を、余所よそ行きの衣裳いしょうを着飾って連れ立って歩いて行く姿は、さすがに人の目をかずにはいなかったので、あのあたりの町家の人々は
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)