水行みずぎょう)” の例文
……皿小鉢を洗うだけでも、いい加減な水行みずぎょうの処へ持って来て、亭主の肌襦袢はだじゅばんから、安達あだちヶ原で血をめた婆々ばばあ鼻拭はなふきの洗濯までさせられる。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして水行みずぎょうを済してからゆっくり晩飯という段取は、講中には誂向きに出来ているがお相伴しょうばんの私には、千松ほどでなくともなりつらい辛抱でありました。
木曾御岳の話 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
ここにはこともなげに書いてあるが、冬の最中に、百日も百五十日も水行みずぎょうをする、そういうことは、剣術遣いの勝なればこそやれるが、おれにはできぬ、なかなか荒行をやる。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大いに稼ぐけれども、貧乏直しに百日間の水行みずぎょうなどをやらなければならなかった。
安吾史譚:05 勝夢酔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)