水精すゐしやう)” の例文
針の落つる音も聞くべきまで物静かなる夜の御堂の真中に在りて、水精すゐしやうの珠数を擦る音のさやかなる響きいと冴えて神〻し。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
其目からは、珠数の水精すゐしやうのやうな涙が落ちた。其からと言ふものは、来る日も/\此元興寺の縁起文を手写した。内典・外典其上に又、大日本おほやまとの人なる父の書いたもん
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
幼いからのさとさにかはりはなくて、玉水精すゐしやうの美しさが加つて来たとの噂が年一年と高まつて来る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
金箔銀箔瑠璃真珠水精すゐしやう以上合せて五宝、丁子ちやうじ沈香ぢんかう白膠はくきやう薫陸くんろく白檀びやくだん以上合せて五香、其他五薬五穀まで備へて大土祖神埴山彦神埴山媛神おほつちみおやのかみはにやまひこのかみはにやまひめのかみあらゆる鎮護の神〻を祭る地鎮の式もすみ、地曳土取故障なく
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)