水夫長ボースン)” の例文
水夫長ボースンが、ポンプの水を、マストの梯子の上から、浴せはじめたのである。強い水しぶきが、喧嘩男どもを、ピシピシと、たたいた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
すると、ほとんど同時に、七人の謀叛人が——水夫長ボースンのジョーブ・アンダスンを先頭にして——その南西の隅のところにどっと一斉に現れて来た。
「ウン、こう見えても、小父さんはこの船の水夫長ボースンなんだぜ。この船のことなら、船長よりもよく知っているんだ」
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
船長、機関長、を初めとして、水夫長ボースン火夫長ナンバン、から、便所掃除人ドバス石炭運びコロッパス、に至るまで、彼女はその最後の活動を試みるためには、外の船と同様にそれ等の役者を、必要とするのであった。
労働者の居ない船 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
まもなく、水夫長ボースンが案じ顔にやってきて
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それから、のっぽのジョン・シルヴァーは副船長にすこぶる有能な男を発見した。アローという名の男だ。また、呼子を吹いて号令する正式の水夫長ボースンもいるよ、リヴジー君。
水夫長ボースンのジョーブ・アンダスンの頭が中央の銃眼のところににゅっと現れた。