毛毬けまり)” の例文
黒い毛毬けまりのように、ころころした仔熊であった。太い首輪をはめ、鎖で柿ノ木に繋がれたまま、ひとりでむきになってじゃれていた。
月の松山 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
金銀の瓔珞ようらく、七宝の胸かい、けしの花のような軽い輿。輿を乗せた小さい白象は虹でかがられた毛毬けまりのように輝いて居た。輿は象の歩るくびにうつらうつらと揺れた。
百喩経 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ジュジュには日本の毛毬けまりが当った。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)