殿後しんがり)” の例文
「いや。時稀ときたま殿後しんがりを勤めることもあるよ。しかし然ういう時は却って重いから、矢っ張り早くやって貰う方が宜い」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
三人の青年は新聞社の先輩と話しながら殿後しんがりを勤めた。田川の伯父さんは尾崎さんを案内しながら
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と一ぴき呉れた。名前を連ねて書く場合のように順次不同という奴で乗って来たものだから、殿後しんがりを勤めていた田鶴子さんは何時の間にか俥を止めて買物をしたのだった。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
尾崎さんの一行が大滝を後にして百間橋へ向った時、三人の青年は又殿後しんがりを勤めた。
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
一番殿後しんがりが男の子で間もなく小学校と縁が切れる。先頭の長男俊一君は去年帝大を卒業して、もう勤め口にありついている。長女は三年前にお嫁に行った。二人片付いた勘定だが、未だこれからだ。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と正晴君は立ち止まったが、殿後しんがりの奥田君がもう追いついていた。
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
三人は又々殿後しんがりに戻った。
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)