殺剣さつけん)” の例文
声のない気合い、張りきった殺剣さつけんの感がどこからともなくただよって、忠相は、満を持して対峙たいじしている光景さまを思いやると、われ知らず口調が鋭かった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そのすきに鞍馬くらまの竹童、グッとうしろへ身をらしたが、落とした刀へは手がとどかず、立って逃げれば、われから卜斎の殺剣さつけんへはずみを加えてゆくようなものだし? ……
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源十郎をはじめ大声に叫びかわして、雨滴に光る殺剣さつけんの陣がぐるりと泰軒をとりまく。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
気の毒だが生命いのちはもらうぞ——だめだだめだ! 鞍馬くらまの竹童ジリジリ二すんや三寸ずつ後退あとずさりしても、八風斎の殺剣さつけんがのがすものか、立って逃げればうしろ袈裟げさへひとびせまいるぞ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殺剣さつけん衆にすぐれし者のみを三十名。はア。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)