武庫ぶこ)” の例文
そう呟いて、五棟並んでいる武庫ぶこを右に、杉林のある道を曲ろうとしたが、そこで向うから来た者と危なくぶっつかりそうになった。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
婚儀の準備をいそぐと見せて、富山城の密室では軍議をこらし、武庫ぶこでは、弓のつるを試し、鉄砲をみがき、またひそかに軍需物資を集めていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ですから武器、戦車、囚人車めしゅうどぐるまなど、武庫ぶこのうちに山とたくわえておることからみても、たえず虎視眈々こしたんたんと、わが水滸すいこの要害をうかがっているものとしか思われませぬ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)