此楼ここ)” の例文
それも夢のように消えて、自分一人になると、自由ままにならぬ方の考えばかり起ッて来て、自分はどうしても此楼ここに来年の四月まではいなければならぬか。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「それやあ、浅くねえわけでしょう。何しろ、此楼ここには、先生の知っている女がいるんだから」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)