此処彼処こゝかしこ)” の例文
旧字:此處彼處
それから間もなく洛中らくちゅうの空に黒雲がおゝひろがって大雷雨が襲来し、風を起しひょうを降らして、宮中の此処彼処こゝかしこに落雷した。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
長江悠々として千鳥のこえも此処彼処こゝかしこにきこえ、遠浦の帰帆、漁村の夕照、四季おり/\の風情ふぜいおもしろく、定めし見飽かぬ眺めだったでござりましょう。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)