欲望のぞみ)” の例文
夢のなかの夢、わしはわが欲望のぞみの達する日まですべての夢を踏みにじっていた、そして其日が来た時、お前はわしの手から盗まれてしまうた。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
去る十七年の夏、偶事に因て出京せるを幸い、平素ひごろ欲望のぞみを達せん事を思い、旅寓に投じて、行李を卸すや否や、先ず主人を呼で二氏の近状を問う。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
「私の名はエマルといいます、また来ましょう。あなたは私の欲望のぞみ、そして私のたった一つの愛です」女がささやいた。
約束 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
わが王妃つま、わが夢、わが欲望のぞみ! ウスナの家がわしに対してあの苦いにがい罪を犯さなかった前には、おお、婦人おなごの中のこじかよ、わしが自分の夢をお前の顔の光明あかりに照らした時
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
すべての欲望のぞみの中の一つの欲望のぞみ——あの静かなところにいては、ロアンのように赤いあの赤い唇から何の声も出すことは出来ないのか? この世に、王の悲哀かなしみのごとき悲哀かなしみはない。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)