権大納言ごんだいなごん)” の例文
権大納言ごんだいなごんの死を惜しむ者が多く、月日がたっても依然として恋しく思う人ばかりであった。六条院のお心もまたそうであった。
源氏物語:37 横笛 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それで妃の廉子やすこ小宰相こさいしょうや、権大納言ごんだいなごんつぼねたちも、思い出したことだった。ちょうど去年の今日である。三月七日。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
建保六年、二十七歳の年、正月には閑院内裏造営の恩賞として権大納言ごんだいなごん、三月左近衛さこんえ大将、十月内大臣、十二月右大臣に昇り、この年母政子も従二位した。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
間もなく源氏は本官に復した上、権大納言ごんだいなごんも兼ねる辞令を得た。侍臣たちの官位もそれぞれ元にかえされたのである。枯れた木に春の芽が出たようなめでたいことである。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
彼の家弟経盛つねもりは参議に、頼盛は権大納言ごんだいなごんに、子重盛は近衛大将までに——云うもわずらわしいが、公卿に上った者十余名、殿上人てんじょうびとと称される人三十名の余をこえ、平氏一門の受領国は三十余ヵ国。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)