桐野利秋きりのとしあき)” の例文
中村半次郎は後の桐野利秋きりのとしあきであります。この男が周囲にあるがゆえに、西郷の身辺に近づき難いということは、さもありそうなことです。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
熊本くまもとの暴動となり、かつては維新の大業をめがけて進んだ桐野利秋きりのとしあきらのごとき人物が自ら参加した維新に反して、さらに新政の旗をあげ
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
桐野利秋きりのとしあきに囲われた妾とか、乃木将軍にツリ銭をもろうた草鞋わらじ売りとか、喋々すると同様、卑劣めいた咄だ。
陸軍少将桐野利秋きりのとしあき、陸軍少将篠原国幹しのはらくにとも、および旧兵隊の者をしたがえて行きますから、その鎮台下を通行のときには、兵隊を整列して、指揮を受けられるよう、此段照会におよびます。
途上、四番大隊長の桐野利秋きりのとしあきに出会うと、利秋も
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近衛兵の年限も定まって一般徴兵の制による事と決してからは、長州以外の二藩の兵は非常に不快の念をいだいた。ことに徴兵主義に最も不満なものは桐野利秋きりのとしあきであったという。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)