桃尻ももじり)” の例文
縁側にすえた七輪を桃尻ももじりになってあおいでいるのを、古褞袍どてらの重ね着で、かかとの皮をむしりながら、平気でながめていられるところまで進歩した。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
水夫どもはいっこうに腑甲斐なく、桃尻ももじりになってうそうそと胴ノ間にしゃがんでいて、大浪が来ると大声をあげて艫ノ間へ逃げこみ、寝框に突ッ伏して念仏をとなえるというらちのなさであった。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)