根調こんちょう)” の例文
しかし彼女はそうして目眩めまぐるしい影像イメジを一貫している或物を心のうちに認めた。もしくはその或物が根調こんちょうで、そうした断片的な影像が眼の前に飛び廻るのだとも云えた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
即ち北斎が富嶽三十六景においてなせしが如く北寿もまた全画面の彩色中さいしきちゅうその根調こんちょうとなるべき一色いっしょくを選びて常にこれによつて諧音的の効果を奏せんとする苦心を示したり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)