柿団扇かきうちわ)” の例文
持っていた柿団扇かきうちわ(軍配)のひも佩刀はいとうの環にくくり付けると、井楼の雁木がんぎに足を懸け始めた。小姓たちは、その尻を押し上げ押し上げ、人梯子ひとばしごを重ね上げた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
挟み箱に腰かけた彼の服装を見るに、昼から汗とほこりにまみれきった柿色染かきいろぞめの木綿陣羽織に、柿団扇かきうちわをもち、徐々、それをうごかして、戦闘指揮にかかっていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)